ハマコーさん

 浜田幸一さんのご冥福をお祈りいたします。

 晩年は背任で逮捕など、ファンの一人としては残念なことが多かったと感じています。事件後、掲示を控えた記事ですが、筆者の思い出として再掲させていただきます。





 ハマコーこと、浜田幸一さんの毒舌は有名だが、話の筋の通し方、押し方、引き方は勉強になると思って、いつも見ている。

 20年も前のことになるが、岐阜へ研修で出かけ、その日は大阪へ足を延ばし投宿。夜、同僚と心斎橋筋に繰り出し、一杯やった後パチンコをしたら、運良く二人とも3~4万の勝利となった。「明日はグリーン車で帰京だ」なんて話になり、その気でホテルに帰った。

 翌朝、「のぞみ」に乗車、土曜の朝で車内はガラガラ、快適な旅になった。

 名古屋から、通路を隔てた隣に男性二人組が乗り込んできた。座席を向かい合わせにし、足を投げ出して楽な体勢を取り、いかにも旅なれた風情の人たちだった。気にも留めていなかったが、しゃべり声に特徴があったので、その人たちの顔を見ると、窓側で足を投げ出しているのがハマコーさんだった。

 しばらくの間、同行の男性秘書と話をしていたが、間もなく居眠りを始めた。他に見るものも無いのでハマコーさんを観察していたのだが、だんだん尻が滑ってきて、体勢が悪くなり・・・ そのうち、ズルッと一気に尻が滑った。こっけいな姿だったので吹き出してしまった時、彼がこちらに気づき、「ニヤッ」と笑った。とても人懐こい感じの、良い笑顔だった。

 彼がお茶を飲み始めた時、サインをもらってみようと思い、通路に立ちその旨を申し出ると、秘書に筆ペンを探させて快く対応してくれた。突っ立っている私に対し、「まぁ座れよ」と、隣の席を勧めてくれた。もう、こっちはコチコチに緊張だ。「最近は仕事の方はどうかね?」との質問に、何を答えたのかも思い出せない。トンチンカンなことを言っていたら恥ずかしいが、笑顔でなにやら話してくれたことだけは覚えている。他のお客さんも彼に気づき、車内が華やいだ。

 席を立つ際、ハマコーさんが右手こぶしで私の左腕を一発、ドンと叩き、さっきの笑顔で「まぁ、よろしく頼むよ」と言われた時には、政治家の人の心のつかみ方をまざまざと見せつけられた。あれをやられたら、次の選挙に一票を入れる人は、入れない人より明らかに多いだろう。

 若造がこんなことをしたら、単なる生意気なやつで終わってしまう。いろいろ場数を踏んできた人には絶対に勝てないと、痛感した。

 「努力するものに栄光あり 祈 多幸」

 毎日眺めている。

画像

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック